時は1982(昭和57)年、所は兵庫県尼崎市!

尼崎市総合文化センター、通称 “アルカイックホール” にて行われた
 第30回 全日本吹奏楽コンクール 大学の部
において、駒澤大学さん特別演奏が終わった後の表彰式で、事件は起こりました!

通常であれば、出場した12の大学はそれぞれ の三賞で表彰されるのですが、この時の評価は

金賞 該当なし

というものでした。

国際音楽コンクール等では
 「優勝(グランプリ)なしの第二位」
なんてがタマぁ~にありますけど、何やら表彰式前にモメたご様子ω

逆に、以前吹奏楽コンクールの県大会で
 銀賞だったのに支部大会に推薦された団体があった
なんて珍事?もありましたけど…

各賞の発表前に “指揮者賞” ってのが授与されますでしょ?
あれを、著名な指揮者の方々がボイコットしちゃったんですよ!
(表彰前に指揮者の方々は評価を知らされていたってことですよね?)

曰く

金賞が欲しくて言っているのではない。
連盟の規約に “出演した団体を の三賞に分けて表彰する”
と明記してあるから、これは規約違反に該当する。
このまま受賞してしまうと、規約に反する行為を
黙認することになってしまう。

と言うことだったらしいです。
(当時の雑誌に掲載されていた内容ですが、事実でない場合にはご指摘ください)

とりあえず、その場はボイコットしなかった指揮者の方には “指揮者賞” が贈呈され、表彰式では “金賞なし” のまま発表されましたが、後日 “修正された評価” が発表されました。
また、その責を負い “理事長をはじめ、全吹連役員の辞職” に発展しました。

当時は賛否両論でした。

正統な論理だと評価される一方で、メディアによっては
 「ダダをコネればになる」
と揶揄されたりもしていました。

結果として、神奈川大亜細亜大近畿大三重大関西学院大(演奏順)の5校が金賞になりましたが、当時批判的だった雑誌には、全国大会の結果特集の中で
 修正後
なる表現が使われていました。

当時の日常会話、チョットした雑談の中で「修正後〇〇」ってのが一時流行りました。
今で言えば “流行語大賞” のような感じで使っていたのが妙に懐かしいですω


ちなみに、その時「修正後 」になった演奏の中から、音源がアップされているものをリンクしてみました。

皆さん銘々でお聴きになり
  金賞に相応しい演奏だったか?
  この演奏なら、銀賞と評価されてもでもおかしくない!
と思われるか?
或いは、規約に明文化されている
  三賞にて表彰する” を曲げてまで「金賞該当なし
と評価した当時の全吹連の判断が正しかったか?
さらには、後に “評価を修正した” 件について、コンクールの在り方そのものも含めてお考えいただければと思います。

5:関東支部 神奈川県代表 神奈川大学(指揮:小澤俊朗
ディオニソスの祭(F.シュミット)

6:東京支部 東京都代表 亜細亜大学(指揮:小長谷宗一
交響曲第2番 より 第3・4楽章(ボロディン/小長谷宗一)

10:関西支部 大阪府代表 近畿大学(指揮:森下治郎
アンティフォナーレ(ネリベル)

11:東海支部 三重県代表 三重大学(指揮:沖公智
楽劇《サロメ》より7つのヴェールの踊り(R.シュトラウス/ハインズレー)

12:関西支部 兵庫県代表 関西学院大学(指揮:梅田尚哉
交響曲第5番 より 第4楽章(ショスタコーヴィチ/ライター)

無論、コンクールの評価は課題曲の演奏を含めた総合判断ですので、自由曲を聴いただけでは何とも言えないと思いますが…

今から36年前の演奏です。
如何でしょうか?


実はこのコンクール、私、、、ホールにいたんですよω

亜細亜大さんのTimp.が、透明なヘッドを使っていたのが印象深かったです。

誠に残念ながら、近大さんのアンティフォナーレは所用があって客席で生演奏を聴くことができなかったのですが、ロビーのモニターで聴いて(見て?)いまして,,,
終盤、Hrn.の「ヤメてω ヤメてω」って連呼する部分でSn.Dr.がアップになりまして…叩いていた方が、妙にカッコイな~!って思った記憶が残っています。
後にレコードで聴き返してみると、展開部のTrb.のペダルトーンとか、絶品名演ですよね!
(秒数指定でテケトーに吹く3ヶ所が、すべてジャスト1秒ずつカットされている、とか~)

関大さんのショスタコ、、、
最後の部分で、指揮者の方が左手の人差し指を突き立てて
 ラッパ!ピッチが低いっ!!」ってプルプルしていた(私にはそう見えた)
とか、レコードからでは伝わらない、生演奏で聴かないと分からない部分が多数ありました。

後日談ですが、この時亜細亜大さんで実際にステージで演奏していた方と知り合う機会に恵まれました。

小長谷、指揮だけでなく、課題曲の作曲や数多くの編曲でも多方面に亘りご活躍されている方ですが、この時を境に「コンクールでの指揮は振らないと誓った」とお聞きしました。
吹連役員だけではなく、指揮者の方にも大きなトラウマになってしまったようですね…


ちなみに、販売数が見込めないからだと思われますが、大学・職場・一般の部の全国大会は、金賞受賞団体だけがレコードになっていました。

もし “なし” だったら、この年のレコードが一枚少なく販売されていたことになりますネ!?

私、この時のレコード…持ってますωω

神奈川大学さんのディオニソスの祭だけではなく、案外吹奏楽版の音源がない
亜細亜大学さんのボロディンや、
近畿大学さんのアンティフォナーレ、
三重大学さんのサロメ等、後に多くの中高生にとって、貴重な音源になったのではないでしょうか?

“アンティフォナーレ” は、以下の動画がお勧め!
非常に面白い演奏を聴かせて頂けます!
【Antiphonale for Brass Sextet and Band】
第10回 定期演奏会
(2018/01/18 横浜みなとみらいホール 大ホール)
演奏:WISH Wind Orchestra さん
指揮:甲斐 誠 

ちなみに神大さん
(これも 横浜みなとみらいホール 大ホール での演奏ですねω)

長くなりましたが、この年、もし駒澤大学さんが前年に5金を取っておらず、特別演奏をしていなかったら…
普通にコンクールに出場して、普通にシレーっと1校だけ金賞取って、無事に終わっていたのカモ?とか思ってしまうのは私だけ??

終 話